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2007年01月11日

鏡開き

今日は鏡開き。

鏡餅.JPG

お汁粉はたくさん食べられないので,ビールのおつまみにもなるようにとカキ餅を作ったのですが,面白いものができました。

下の3つの写真は,どれも同じ作り方で作ったものです。何が違うかというと,お餅のランクが違うのです。左の写真はいわば松。お米屋さんで搗いてもらったもの。中央の写真は竹。スーパーで個別包装になっている袋もの。右の写真は梅。ホームセンターの軒先で売っていたもの。

梅.JPG

松.JPG

竹.JPG


ランク(値段)の差は品質の差とわかってはいましたが,具体的に言うと米量と水量の比が違うんですね。実はコンクリートも,セメント量と水量との比でその品質を判断します。セメント量に対して水量が多ければ多いほど,強度も弱く耐久性にも劣るものしかできません。お餅も,米量に対して水量が多いものほどその品質が劣るというわけだったのです。


ところで,「鏡開き」という言葉には二つの意味がありますよね。一つは,今日のように,年神様にお供えしていた鏡餅をおろして食べること。もう一つは,祝宴などで酒樽の蓋を木槌で割って開けること。どうして同じ単語だろうと不思議に思っていたので,これを機会に調べてみました。

どちらも「鏡」は餅や樽を指しており,餅は丸い形が昔の銅鏡に似ていることから,樽はその蓋を酒屋で鏡と呼んでいたからだとのことです。そして,どちらも本当は「開く」わけではなく「割る」なのですが,そこはやはり「割る」では縁起が悪いので「開く」と呼んでいるわけです。そして,実は両者には共通する意味があって,それは「新たな出発に際して健康や幸福などを祈願しその成就を願うこと」なのだそうです。そうだったのか。では,今年一年の新たな出発を改めて祝して,今晩はビールにカキ餅で乾杯です。


ちなみに,「梅」のお餅はこれ以上不思議な物体を作っても仕方がないので,結局お汁粉になりました。でも,これはこれでお餅の水っぽさが歯ごたえの頼りなさになって悪くなく,つるりんと食べられてしまったのでした。適材適所というべきか,結局は何でも美味しく食べられる性格ということか。

お汁粉.JPG

投稿者 watanabe : 2007年01月11日 19:33

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コメント

会社の入っているビルの鏡開きでほろ酔い(ます酒6杯なので完璧酔っ払い)の状態かもしれません。
ひよこさんからコンクリート話がでる以前にお持ちの状況で同様のイメージをしてしまいました。土木やのなせる技でしょう。辛い打合せから帰った後の鏡開き(樽酒の方です)だったので、お酒が進んでしまいました。
そんでも案3は個人的に一番おいしそうです。

投稿者 shiratori : 2007年01月11日 19:52

お餅とコンクリートの品質に共通性を見出すなんてサスガ!
でも、こっそり「職業病?」とも感じていたりして。

しかしホームセンター軒先餅は「正体見たり」と叫びたくなりますね。でも、からっと揚げて塩味を効かせると、おつまみとしては意外と美味だったりして。いっそのこと「ダイエット餅」と銘打って売り出すといいかも。
トンネル、ダムなどの公共事業には軒先餅級コンクリートは使わないでいただきたいものです。

ところで、ふと気になったので質問しちゃいます。
コンクリートの日本語名ってあるのでしょうか?
水和熱反応式石灰質複合的塑性物質(?)みたいな・・・・・・はははっ。
さらには、伊太利亜(イタリア)みたいな当て字とかあります?
単なる「素朴な疑問」です。

投稿者 MCAT : 2007年01月12日 14:37

白鳥さん,ご機嫌な雰囲気が行間から伝わってきますよ。夜8時前に「ます酒6杯」って,相当いけてますね~。

「水米比」(コンクリートでは「水セメント比」あるいは「セメント水比」といいます)に言及されなくても気づくとは,MCATさんご指摘のように,それは職業病かも知れません。

で,3番目のが一番おいしそうですか? うーん,やはり世の中は捨てる神あれば拾う神ありですねえ。うちでは,揚げ玉の代わりにそばかうどんに入れて,たぬきそば(たぬきうどん)で食べようかと思っていましたが。3番目のカキ餅も立つ瀬があったと喜んでいることでしょう。

投稿者 ひよこ : 2007年01月12日 20:05

MCATさん,MCATさんも3番目を買ってくださっていて,やはり自己流な判断はいけないと痛感しました。コンクリートと餅とを同列に考えることは,これからはやめにします。

さて,コンクリートの日本語名の話。「水和熱反応式石灰質複合的塑性物質」ってすごいですね! これで十分いけちゃいますよ。強いて言えば,最後を「弾塑性物質」にしていただければ完璧です。コンクリート工学協会に今度提案しましょう。

ちなみに,コンクリートは明治初期に日本に伝わりましたが,その頃は「混擬土」と表記していました。これもウマイですよね。「(材料を)混ぜて土(=岩)に擬したもの」というわけです。ついでながら,中国では今でも「混擬土」と表記しているそうです。中国の人ともコンクリートの話なら筆談できそうです。

投稿者 ひよこ : 2007年01月12日 20:14