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2006年07月30日

ユビキタス

なんとなくしっくりこないなあと思うことのひとつに「ユビキタス」があります。

PL060730-03.jpgユビキタスとは「あらゆるモノにコンピュータが組み込まれ、コンピュータ同士が協調動作し、人間はコンピュータの存在を意識することなく、高い利便性を得ることができること」というような説明をよく聞きます。坂村教授が提唱する「どこでもコンピュータ」も、同じ概念かもしれません。

私は、この「人間はコンピュータの存在を意識することなく」というところが妙に気になります。
ほんとうにそれでいいのかと。

PL060730-02.jpgユビキタスと聞いて、すぐ思うのは「スター・ウォーズ」です。シリーズが完成した今となってはⅣ~Ⅵにあたりますが、当時最先端だったSF映画の中でハリソン・フォード扮するハン・ソロと相棒のチューバッカは、宇宙船ファルコン号を自分たちの手で修理していました。
すべてがコンピュータ制御で、2人は「コンピュータの存在を意識することなく」運航し、敵にやられてもコンピュータが感知して迅速に自動的に修理・復旧するというような環境からは程遠いものでした。
私には、ユビキタスの世界観より、故障に手を焼くハン・ソロの苦悩の方が現実味があるような気がしてなりません。

PL060730-04.jpg下記がユビキタスの具体例とのこと。
「薬ビン自体にコンピュータを内蔵させ、併用すると著しい副作用のある薬を一緒に飲もうとすると、薬ビンから携帯電話に電話がかかってきて警告を発してくれる」

医師や薬剤師さんとのコミュニケーションをもっと充実させるような工夫をするという方向性はダメなのでしょうか?

PL060730-01.jpgユビキタス。
具体的にどんな社会を目指しているのか、ほんとうにそんなことができるのか、よくわかりません。
無知ゆえ、あるいは基本的に勘違いしているような気もします。

ご専門にしていらっしゃる方もいるのではないかと思います。
教えていただけると嬉しいです。

投稿者 MCAT : 2006年07月30日 05:54

コメント

“ユビキタス”
…まずはネーミングからシックリこないですよねぇ…

私は教員です。
最も“ユビキタス的”から遠い世界にいる人間かもしれません。
現場のコンピューターは『98』です。
もちろん、生徒の使うパソコンも、です。
授業で生徒に見せる教材は『VHS』です。
なぜかというと、ハード(要するに再生機)が『VHS』だからです。

未来を担う人材を育てる現場がこんなですから
・末端にはまったく浸透しない
・支配された状態で進化する
のどちらかで世の中は“ユビキタス”されていくのかなー
なんて思います。

ところで・・・
私の教室は4階で、エアコンはおろか扇風機もありません。
鉄筋コンクリートの4階建ての校舎の4階で
暑っ苦しい中学生が40人いたら
いったい室温は何度くらいになるんでしょうか??


投稿者 ZANERY : 2006年07月30日 20:26

いつも、きれいで素敵なブログで、次回が楽しみです。
私も「もったいない」が好きです。あらためて、個人の意識や行動も大切と、私も思います。
構成がきちんとしていてとても読みやすく、テーマの選定が上手でいらっしゃられるので、考えてしまい、思ったことを書かせて頂いています。

以前、坂村教授の、TRONというOSのソースを見ました。私の能力の問題が多分にありますが、TRON独自の用語が一杯あって読みにくく、又、きちんと移植する、きちんと何かに組み込んで使うのを、特に個人的にするのは、サポートなくして、ちょっと難しいのかもしれないなあとちょっと思いました。

坂村教授が、ICタグを使って、食品のトレーサビリティの実験をされているという新聞記事を見ました。いつ、だれが、どこで、食品を生産し、販売し、仕入れたかを消費者が知ったとしても、本当にその食品が安全かどうかはわからないのではないかなあとちょっと思います。

お医者さんや看護婦さんが、夜勤までこなされていて、間違うと、そのミスが初歩的なミスであればあるほど、非難されたり、訴訟になったり、大変だなあとちょっと思う時があります。薬ビンが警告を発してくれるのは、いいかもしれないなあとちょっと思います。

携帯電話が進化していっているのを見ると、ニーズがあれば、よりよい方向へ進んでいくのではないかなあと思います。行ったところも、したことも、何もかもバレてしまうかもしれませんが。

私は、電車に乗ると、携帯電話NOのマークの席にできるだけ座るようにしています。
私は、本当にむちゃくちゃ知りたいことがあります。それは、電磁波の人体への影響です。
携帯電話を何十年も持ち続けた後、体にどう影響がでるかです。この先、超小型の、ICタグやセンサー等を何十個も、体に持ち歩き、くっつけ、埋め込むかもしれません時に、体はどうなるのとすごく思います。
電磁波は、大丈夫と言う人と、悪いと言う人と、ちょっと二極化しているように思います。携帯電話が世に出て何十年という実例がないので言えないのかもしれません。それを思うと、こわいです。

投稿者 一口カステラ : 2006年07月31日 01:06

ZANERY さま

はじめまして。
投稿ありがとうございます。

ユビキタス(ubiquitous)って、ラテン語だそうです。国立国語研究所による外来語の言い換えでは「時空自在」となっていました。
ふざけてるみたいで補助金をもらいにくいネーミングですが「どこでもコンピュータ」の方がわかりやすいかも。

今月(2006年7月)マイクロソフト社がWin98のサポートを終了しましたよね。同社によると「製品が最新の状況に対応できなくなっており、ユーザーの皆様にセキュリティ上の危険性をもたらす可能性がある」という理由に基づいているそうです。
これでは、98では「危険」なのでネットワークにつなげない方がいいということになってしまいますよね。当然、新しい高性能のソフトも使えないわけですし……。

教育の場にこそ、デジタル・デバイドが存在するのですね。

鉄筋コンクリート造の建物の最上階の熱負荷の状況は、想像するだけで気が遠くなります。
軽くて薄いパレット式の屋上緑化を行うなど、方法はありますが、パソコン教室の予算がとれない現状を考えると、どんな提案も難しい状況なのかもしれません。

東京都の調査では、緑化していない屋上表面の日中温度が約55度を示したのに対し、緑化面は約30℃でした。また、最上階の天井温度は、緑化が施された場所の方が1~3℃低かったと報告されています(2003年)。

屋上緑化の効果はいろいろあるんです。
・樹木の蒸散作用などによって周囲の気温を下げる
・断熱効果が高く省エネになる
・熱膨張・収縮による建物の劣化を防ぐ
・屋上の防水層の保護になる
・屋上に緑の潤い空間をつくる
・新しい生態環境を創出する

投稿者 MCAT : 2006年07月31日 01:22