« ウチの猫 | メイン | 日帰り人間ドック »

2006年08月03日

失敗学ふたたび

失敗というと、少なくとも、成功を目指してがんばったが力及ばず、結果として不本意ながら失敗となってしまった場合のことを意味するように思っていました。
ところが、中尾教授らのまとめた失敗の事例をみても、最近、日本で実際に起こっている多くの事件をみても、そうではないもの、明らかに「怠慢」や「故意」によるものが多くあるように思います。
これらをまとめて「失敗」としていいのか、疑問に感じます。

ウィニーに起因する相次ぐ情報のネット流出。自衛隊、警察、裁判所、刑務所などでも機密情報が流出しています。
社会保険庁の不正処理。日を追うごとに新しい不正が累積していきます。
埼玉県ふじみ野市のプールの事故、シンドラーの事故、パロマの事故……。
ほんとうにきりがありません。

医療過誤に対する裁判や自動車の欠陥のリコール騒動などが大々的に報道され、「隠すと損する」という風潮になり、近年、事故の届出は増加しています。また、高度な職人技を身につけていた世代が、停年で退職することによる事故がますます増加することでしょう。

その歯止めの対策のヒントがあるかもしれません。
7月25日の講演時に、中尾教授の著作の紹介がありました。
書き忘れてしまいましたので、改めてご紹介します。

「失敗百選」
中尾政之著 森北出版 3,600円

講演では、大手の本屋さんでは取り扱ってもらえない、amazonでは購入できる、とのお話でしたが、本日(06/8/3)丸の内OAZOの丸善で大々的に取り上げられているのを発見しました。「全国民必読の書」と立花隆さんの推薦の帯もしっかりついていました。

投稿者 MCAT : 2006年08月03日 22:50

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.pej-lady.org/blog/mt-tb.cgi/93

コメント

失敗の定義の考え方に全く同感です。故意の失敗は言語道断ですが、怠慢の失敗というのは、実は注意力、実力の不足から来るものであって、本人には怠慢の意識はありません。なるべくしてなった結果だと思います。以前は、5年で一人前と言われましたが、今は10年でも難しいような気がします。何故でしょうか。会社の体制にも先輩の指導にも、また本人にも問題がありそうです。実力は失敗して伸びていくものだと思っていますが、失敗とミスは全然異なるものであります。信念を持った失敗は失敗と言わないでしょう。だんだん話がくどくなりそうです。失敗しないうちに終わります。

投稿者 50代の大人 : 2006年08月04日 18:27

50代の大人 さま

はじめまして。
コメントありがとうございます。
これからもご意見お寄せくださいませ。

イマドキの若い人たちに「失敗を恐れずに伸び伸びやってごらん」なんて言うと「なあ~んだ、真面目にやらなくていいのかあ」と勘違いされそう。怖くて言えません……というのはちょっと言いすぎでしょうか?

投稿者 MCAT : 2006年08月05日 04:31

情報のネット流出で、流出しました、ごめんなさいと言うと、許されてしまうのはどうかなあと、テレビや新聞で見かける度にいつも思います。

投稿者 一口カステラ : 2006年08月05日 07:37